2012年3月27日火曜日

歯と健康のための豆知識その8 舌の位置と歯並び-3

舌の位置を治す方法 (筋機能療法)
舌の位置が下方に下がっているために歯並びが悪くなることを2回に渡ってお話ししてきました。そのような場合には矯正装置に加えて舌の位置を修正するためのトレーニングを併用します。
今回はその位置の修正法についてお話しします。


舌のトレーニング (舌の筋トレ)
舌を上方に上げる練習をチューインガムを使って行います。
��. なるべく弾力のあるガム(クロレッツガムを使用しています)を使います。
��. 柔らかくなるまで噛んでもらい、舌の先にガムを丸めて乗せます。
��. 舌の先端を上アゴ(口蓋)に付け、さらに舌を上アゴに押し付けます。ガムの広がり状態をチェックし、指導していきます。




ガムトレーニング例


治療前: ガムが上アゴの前方部のみ押されている。舌を上に上げる力がまだ、ありません。



治療中: ガムが上アゴの広い範囲に広がってきた状態。舌が大分、上に上がってきました。舌の先端だけでなく、後方部も上アゴに付けることができるようになっています。








矯正装置とガムトレーニングを併用した治療例


治療前:指しゃぶりの癖と舌が前方へ突出することにより、前歯が咬み合いません。



治療後:上下の前歯が咬み合いました。 (矯正装置+ガムトレーニングによる矯正治療)

2012年3月6日火曜日

歯と健康のための豆知識その7 舌の位置と歯並び-2

舌の位置が及ぼす歯並びの異常

前回、舌の位置が歯並びに関係することをお話ししました。
舌は日常生活の中で物を咬む時、飲み込む時やおしゃべりする時など、歯の内側に当てながらその役割を果たします。
通常、舌が上方にある場合、上の歯は舌によって内側から外側(横)、前方に押され、上アゴや歯列の成長発育が促されます。それによって正常な歯並び、咬み合せが獲得されていきます。
しかし、舌が下方に位置している場合には様々な歯並びの形でその影響が現れてきます。
主な3種類の歯並びを例に挙げます。


反対咬合(受け口)

舌が下方にあるため、舌によって内側から下の前歯を外側(前方)に押し出す力が働く場合があります。それにより、下の歯は前に押し出され、反対咬合になります。




開咬 (前歯が空いている咬み合せ)

舌が下方にあるため、舌が上と下の間に位置する場合があります。
それにより、前歯は生えようとしても舌によって抑えられてしまい、上下の前歯が重ならない状態になります。
��この歯並びは指しゃぶりとも関係しています。)





出っ歯

舌が下方にあるため、上の歯を内側から押しません。
それにより、上の歯並びは前歯から奥歯に連なる形が通常のU字型がV字型(歯列が狭くなる)になり、前歯を前に押し出し、出っ歯になります。