マウスピース矯正法を導入し、1年が経過しました。
ここではその思う処を書きたいと思います。
私が用いているのはマウスピース法のひとつであるInvisalignです。
これは従来の矯正法の固定式ワイヤーと異なり、
取り外し可能な透明なマウスピースを装着する方法で、
とくに大人の患者さんに用いています。
患者さんにとって人から気づかれず、
ワイヤーの煩わしさや虫歯になりにくいなどの利点があります。
しかし矯正専門医として私が30年経験してきた
従来の方法と大きく異なる部分がありました。
Invisalignは患者さんの検査資料を基にアメリカのマウスピース技工所によって
歯の移動計画が提案されます(当然、治療計画を決定するのはドクターです)。
良い意味で私の想定していた移動法と全く違う(ある意味こちらが気づかされるような)
計画を提案してくることがあります。
あるいは非現実的な方法を提案してくることもあります。
実際に不可能な方法を採用してしまうと当然、患者さんの治療は成功しません。
これを見極めるのはドクターの知識と経験です。
また治療途中において治療計画のように進まない場合があります。
その時のリカバリーできる知識、技術が必要です。
部分的にワイヤー、口腔内ゴムを加えたり、
あるいは再度治療計画を作成し直したりする場合もあり、かなり応用が必要です。
幸いInvisalignを手がけるアライン社では定期的にセミナーを開催し、
ドクターの知識を積み上げていく手助けをしてくれています。
私は数ヶ月に一度この研修会に出席していますが、
参加する度に確実にInvisalignに対する理解度が増しているのを実感します。
経験豊富なドクターからの情報はとても大切です。
それにより治療技術の向上に通じ、用いる症例の範囲が徐々に拡大していきます。
私の中でInvisalignはただ患者さんに使用してもらうだけの簡単な
“魔法の方法ではない”という認識が広がっています。
0 件のコメント:
コメントを投稿